【月1読書】「エンジニアリング組織論への招待」

今回読んだ本は、「エンジニアリング組織論への招待」という本です。
個人的には、過去に一度飛ばし飛ばし読んだことがあった本です。内容も殆ど覚えていなかったのと、組織に関する事柄について考える機会が最近業務でも増えてきたので、しっかり読み直したいと思って読みました。

この本では、エンジニアリング=「実現するために不確実性を取り除き、明確・確実なことを増やす活動すべて」と定義をし、個人や組織、開発におけるワナについて取り上げながら、個々人・そしてチームの思考を改善(リファクタリング)するための手段、歴史や考え方について紹介しています。

企業が立ち向かう「不確実性」

企業は、顧客が感じている課題を解決する(ニーズを満たす)ことで、より拡大することを目的としています。

当たり前ですが、誰も100%確実な未来を予想することはできません。同様に、顧客が感じている課題やニーズはとても不確実で、つかみにくいものなので、100%ヒットする商品・プロダクトを作ることは極めて難しいとされています。(「必ず売れるアイディア」があるなら、今頃みんな億万長者ですよね…)

そのような状態の中で、複数人が集まる組織として、企業は「企業の中」における不確実性や個々人が自然に生まれつき持つ認知の歪みをも相手に、集団として「エンジニアリング」をしていく必要があります。

組織(=個人の集団)である以上、ただ1人で作業するときには発生しないような様々な「不確実性」に囲まれながら、企業は活動をします。人は生まれつき生物として「わからない」ものに対して不安を感じ、不安に対して意識的/無意識に目をそむける習性をもちます。100%の未来予想ができないのと同じように、他人を100%理解するor他人に100%自分の頭の中を理解してもらうことも不可能です。

市場・コミュニケーションなどの不確実性や、自然と存在する認知の歪み・不安があるという前提の上で、いかに効率よく不確実なものを削ぎ落とし、課題を解決するための次の一手を打ち続けるか?

これがこの本の全体のテーマであると感じました。企業内の個々人が、様々な不安・歪みといったものが自然にあるものであると前提を認識し、集団としての能力を100%発揮していくことでしか、「市場」・「未来」という不確実性を味方につけることは難しいということです。

「不確実性」をいかにして確実なものに近づけ物事を実現するか

メンタリングのための傾聴から、経験主義、仮説思考、システム思考、アジャイル、などたくさんの概念について触れながら、この本では不確実性をいかに減らし次の一手を打っていくかということについて書いてあります。

様々な不確実性がある中で、不確実性をいかに効率よく下げるか。組織として拡大していく上で能力を発揮し続けられるようにどのように組織の「情報処理能力」を上げるのか。成り立つ仮説をいかに効率の良い方法で検証をし知見を得てさらにそこから大胆な仮説を立てて検証していくのか。すべては不確実なものを減らし物事を実現していくため。
そのための個人・チームの思考のリファクタリングについて紹介がされている本でした。

個人的にやっていこうと決めたこと

もしかしたら本質的ではない部分かもしれませんが、私個人として仕事をする上で

  • 他人を100%理解する、他人に自分の考えを100%正しく伝えることは不可能だという(書いてみたら当たり前の)前提を常に頭に置く
  • 観測できる事実・経験の結果を知見としてたくさんの仮説検証をして、なるべくはやく失敗をする
  • 「心理的安全性」のポジティブな影響を享受するために、明確に対人リスクを取る・それをまわりにも促す

まとめ

今後も、噛み砕いて理解できるように、何度も読み返したい本だと思います。
あまりまとまりがない読書感想文かもしれませんが、もし気になった方はぜひ手にとって読んでみてください。
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以上です。